【Case01】「社長らしさ」を手放したら、組織が自走し始めた

大島:本日は、大島パートナーシッププログラムでご一緒している、代表取締役社長Tさんにお話をお伺いしたいと思います。Tさん、本日はどうもありがとうございます。

Tさん:製造会社に勤めております。よろしくお願いいたします。

大島:はい、お願いします。Tさんと初めてお会いしてから1年ちょっとぐらいですかね。

Tさん:そうですね。1年ちょっと経ちますね。

大島:私が登壇させていただいた講演でお話を聞いていただいたと思うのですが、そのときの第一印象はどんな感じでしたか?

Tさん:第一印象は、本当に涙が出るぐらい感動したというのが率直な感想でした。「これを私は聞きたかったんだな」と強く思いました。求めていたのはこれなんだなという感覚で、目の前のモヤモヤが霧のように晴れていくようでした。本当に光が差し込んだような気分でした。

大島:それは嬉しいです。

目次

不安と孤独の中で始まった社長就任

大島:では当時の写真を表示しますね。

Tさん:はい。

大島:この1枚を見て、当時のご自身を一言で表すとどんな状態でしたか?

Tさん:やはり目があまり輝いていないなと思いますし、不安げで、「この人についていって大丈夫かな」と思っているような感じに見えます。

大島:ちょうど社長に就任されたタイミングでしたよね。

Tさん:はい。

大島:当時はどのようなお悩みがありましたか?

Tさん:当時は、先代が亡くなり、私が代わりに引き継ぐ形になったのですが、何をやっていいか全く分かりませんでした。そのため、手当たり次第いろいろなことを新しいこととしてやってみようと思い、10個やって1個当たればいいということを繰り返していました。

また、先代のことを強く想っている従業員の方々とは折り合いが合わず、衝突するような状態でした。これからどうしていけばいいのか、自分には味方が誰もいないのではないかというような状況で、日々思い悩んでいました。

大島:経営状況はいかがでしたか?

Tさん:私が何も分からなかったので、何もしなくてもとりあえず進んでいける状態ではありましたが、現金はとても少ない状態でした。突発的なことが起きる可能性もあるという話を大島さんとしていました。

大島:そうでしたよね。

Tさん:はい。

この人ならわかってくれると感じ個別相談へ

大島:ちょうど1年前に個別相談に来られたと思うのですが、参加しようと思ったきっかけや決め手はありましたか?

Tさん:セミナーで登壇されていたときに、「後継社長の多くは無自覚の憂鬱状態にある」とおっしゃっていて、それがまさに自分のことだと思いました。「こんなに自分のことを分かってくれる人がいるんだ」と感動しました。

そして、この方に相談すればこのモヤモヤから抜け出せる、この糸口が見つかると思い、名刺交換をさせていただいたときに、すぐに行こうと心の中で決めていました。

大島:そうだったんですね。

Tさん:はい。

大島:実際に個別相談に来られて、どんな気づきがありましたか?

Tさん:会社の悪い部分ばかりが見えていた時期だったのですが、「腹をくくってやろう」と思えたことが大きかったです。

大島:腹がくくれたという感じですか?

Tさん:そうですね。「必ず良い方向に向かうことができる」と言っていただいたので、「自分がしっかりやらなければ」と思えたことがすべてです。

大島:その後、大島社長塾にも来られましたが、最後のひと押しのようなものはありましたか?

Tさん:会社を潰してはいけないという思いがずっとありました。先代から託されたものだと思っていたので、潰さずに次につなげていこうと考えていました。

ただ、大島さんから「良い方向に持っていくことはできるが、創業年数や設備の老朽化、人の年齢などを考えると、突発的なことで倒産する可能性もゼロではない」と言われました。そのうえで、「Tさんの人生はその後も続く」と言っていただいたんです。

さらに「その後の人生も面倒を見るから大丈夫」と言っていただき、「この人についていけば、会社をもっと良くしていける」と思い、大島社長塾に行こうと決めました。

大島:なるほど。当時はその言葉が良かったのかもしれませんね。リスクはあるけれど、過度に不安になる必要はないという意図だったと思います。

Tさん:はい。「倒産してもTさんのせいじゃない」と言っていただきました。

大島:なるほど。

Tさん:そう言ってくれる人は世の中にいないと思ったので、それで腹が決まりました。

社長とはこうあるべき、をやめたら社長らしくなったと言われるようになった

大島:ありがとうございます。では、受講中はどのようなお気持ちでしたか?

Tさん:自分の中で当たり前だと思っていた常識が書き換えられていく感覚があり、とても楽しかったです。知識が入ってくることで霧が晴れていくような感覚で、受講中はずっとそのような状態で、毎回とても楽しく取り組んでいました。

大島:現在、ベーシックを修了されたとのことですが、心境はいかがですか?

Tさん:「社長とはこうあるべき」という考えをやめたことで、自分らしくいられるようになりました。その結果、周りから「社長らしくなった」と言われるようになりました。

大島:会社に行くのはどうですか?

Tさん:全くしんどくないです。毎日会社に行くのが楽しいです。

大島:すごい変化ですね。

Tさん:はい。

信頼関係の再構築と組織の空気の変化

大島:従業員との関係性も変わりましたか?

Tさん:はい。大きく変わりました。

Tさん:それは、多分、私と皆さんの間に信頼関係が生まれてきたからかなと思っています。

面談をさせていただいて、皆さんが普段どういうことを考えているのか、どういう思いで仕事と向き合っているのかを傾聴することで、信頼関係が生まれたのだと実感しています。

大島:それは本当に全然違いますね。他にはどうですか? 財務的なことだとか。

Tさん:そうですね。前期は、今までで一番良かったかなと思うぐらい、しっかり利益が出ています。

あと、借入れというもの自体をすごく悪いものだと思っていたので、無借金でやることが良いことだと思っていたんですけど、大島さんからいろいろ教えていただいて、「良い借入れ」というものがある、社会から応援してもらっているんだよ、ということをベースに考えて、「良い借金があるんだ」ということに気づきました。

その後から銀行とのお付き合いを増やして、今は実は借入れもかなりしている状態です。なので、現預金が今すごくあります。

大島:現預金がめちゃくちゃ増えた。

Tさん:はい。大幅に増えています。

大島:以前突発的なことで会社が倒産する可能性もあるよ、という話をしたんですけど、それも全然変わったんじゃないですか?

Tさん:リスクはだいぶ減ったかなと思いますね。ゼロではないとは思うんですけど、リスクは減っていると思います。
現預金が増えたことで、心の余裕も増えています。

大島:実際、会社が安全になったってことですよね。

Tさん:はい。

大島:それを実際にそういう体制に変えたっていうのは、やっぱりTさんが社長として変えられたってことですよね。

Tさん:そうだと思います。自分で頑張ったから変わったんだなって思っています。

大島:ですよね。そういう意味では、Tさんの日頃の動き方や、何かトラブルが起こった時なんかも、だいぶ変わってきているような気がするんですけど。

Tさん:そうですね。トラブルが起こった時、以前はモヤモヤ考えて、「どうしよう、どうしよう」と悩んでばかりいたんですけど、今は大島さんに電話してアドバイスをいただいて、問題をすごく整理できるようになったので、短期・中期・長期的に的確に行動することができました。

大島:やっぱりこの思考と行動自体がすごく変わってこられてますよね。全然違いますね。

だから本当に、社長としての動きをされてる。まだ社長になって間もないはずなんですけど、結構ベテランの社長みたいな動き方をされてるように、私から見たら見えますけどね。

Tさん:そうですね。先代と一緒に動いていた従業員の方たちも、「社長がそう動いてくれて安心しました」と言ってくれたので、やっぱり社長としての姿勢が変わったんだなって実感しています。

大島:だから、いわゆる「社長とはこうあるべき」というものに無理して合わせていた時は、かえって社長らしくなくて、それを手放したら今度は逆に「社長らしいですね」と言われるようになった。Tさんなりの社長像がどんどん出来上がってきているような感じがしますよね。

Tさん:そうですね。間違いなく、自分らしい社長というものに今なれていると思います。

大島:だったら毎日楽しいですよね。

Tさん:すごい楽しいです。

Tさん:以前は何をやったらいいか分からず、すごくフラストレーションが溜まっていたのですが、今はやることが明確になっているので、とても楽しいです。

大島:では、最近の写真も共有させてもらいますね。

Tさん:はい。

大島:過去の写真と今の写真とで、今と言っても少し前ですが、3ヶ月ぐらい前ですかね。差は感じますか?

Tさん:やっぱり目が輝いているなと思いますね。最近の方が生き生きしているなと、自分でもこれを見て思います。

大島:やっぱり楽しそうですよね。

Tさん:はい。

大島:以前の方は少し不安そうな感じがしますね。

Tさん:そうですね。

大島:モヤが晴れて、パッと目の前が明るくなっているような感じが、6ヶ月後の方に現れていると思います。

Tさん:はい、そう思います。

大島:女性に言うのは失礼かもしれませんが、若くなっている気がします。

Tさん:そうだと嬉しいです。

大島:毎日が楽しいからですね。

Tさん:はい。本当に毎日が楽しいので、それが現れた結果だと思います。

大島:さらに3ヶ月経った現在もまた変わっていますよね。より生き生きして、自然体になってきているというか、内側から出てきている感じがします。

Tさん:はい。トラブルを乗り越えた時期だったので、また一段と変わったのかなと思います。

大島:なるほど。確かに、また社長として一段階成長された感じがありますね。

Tさん:はい。

大島:また写真を撮りましょう。

Tさん:はい、ぜひお願いします。

事業の方向性を伝え、未来を描き始めた

大島:これからどのような未来に進んでいきたいか、お聞かせいただけますか?

Tさん:はい。今は、お客様に満足していただけるサービスをどのように提供していくかという点と、自社の強みは何かという点を模索しています。

その内容については、全社員に対して「今こういうことを考えています」とはっきり伝えました。そして、それを来年、社内だけでなく社外にも発信できるよう、文章としてまとめて発表する予定で取り組んでいます。

大島:いわゆる後継事業家ステートメントですね。

Tさん:はい、そうです。

大島:自分が本当に考えていることをしっかり言語化して、会社が社会に対してどんな役割を果たすのかを明確にするものですね。

Tさん:はい。

大島:一般的な内容ではなく、「そうなんだ」「確かに」と思ってもらえるような、少し新しい視点も入ってきていますよね。

Tさん:はい。

大島:今はまだ輪郭が見えてきた段階という感じですかね。

Tさん:そうですね。なので、従業員の皆さんにも協力してもらいながら、一緒に良いものを作り上げていきたいとお願いしています。

大島:今後が楽しみですね。

Tさん:はい。今は本当に楽しいことしかないという感じです。

大島:今の楽しさに加えて、自分の理想が明確になり、それを社員に伝えていく楽しさは、また違うステージの楽しさになりそうですね。

Tさん:そうですね。

大島:もし大島社長塾に参加していなかったら、今どんな状態だったと思いますか?

Tさん:おそらく、従業員との信頼関係は築けず、ギスギスした状態のまま、会社を潰さないように何かしなければという思いで、モヤモヤしながら手当たり次第に行動していたと思います。

大島:それだけしっかり手を打ってこられたから、今の状態があるということですね。

Tさん:はい。日々やるべきことを着実にやってきた、ということだと思います。

後継社長へのメッセージ

大島:最後に、今個別相談への参加を検討されている後継社長の方に、一言お願いできますか?

Tさん:はい。私は先代が亡くなり、社長のやるべきことを教えてくれる人がいないまま社長になったので、相談できる人が誰もいませんでした。

そのため、抱えているモヤモヤを誰にも話すことができず、ずっと一人で抱え込んで、誰にも言えないまま日々を過ごしていました。

そんな中で大島さんと出会い、お話しすることで気持ちが楽になり、心がとても軽くなりました。

さらに、日々の問題についても大島さんと話をすることで整理できるようになり、今では的確に行動することができています。

やるべきことが日々明確になっているので、今は毎日がとても楽しくて仕方がありません。

大島さんに出会っていなければ、今のように楽しく過ごせていなかったと思うので、本当に良かったと思っています。

同じように悩んでいる方も、一度大島さんと話をしてみるとすごくスッキリすると思いますので、ぜひお話ししてみていただけたらと思います。

そして、一緒に楽しい社長ライフを過ごしていけたら嬉しいです。
ありがとうございます。

大島:改めて、Tさんのお話をこうして伺えて、私自身もとても勉強になりますし、とても嬉しく思います。

また、今後のTさんのご活躍もとても楽しみです。

Tさん:ありがとうございます。私も、少し前に初めて大島さんにお会いした時のことを思い出して、あの時は本当に辛かったなと、この数日改めて感じていました。

大島:それでは本日は、Tさんにお越しいただき、お話をお伺いしました。本日はどうもありがとうございました。

Tさん:ありがとうございました。

この記事を書いた人

哲学的思考と実績に裏打ちされた体系的独自コンサルティングを優秀な連携専門家とともに提供します。
幾多の事業承継・企業変革を成功に導く業界のパイオニア的存在です。

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