古参社員を辞めさせる方法を考える前に、後継社長が見直すべき組織の動かし方

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ありがとうございます。

 後継社長学提唱者の大島康義です。

私はかつて実家ホテルの倒産を経験し、

その時の学びと経験を後継社長専門コンサルタントとして

お伝えさせていただいております。 

もし今、

・古参社員が言うことを聞かず、辞めさせたいとまで思っている 

・先代の頃から続く空気を自分の力では変えられない 

・このままでは会社が前に進まないと感じている

そんな状態なら、 今日の記事はきっと参考になると思います。

目次

古参社員を辞めさせたいと思うほど追い詰められる理由

先代社長時代の空気が残り、指示が通りにくくなる

「辞めさせたい」とまで思うとき、 

後継社長はすでにかなり追い詰められています。

何度言っても伝わらない。

返事はあるのに、動きが鈍い。

正面から逆らわれるわけではないのに、なぜか会社が前に進まない。

その背景には大抵

先代社長の時代の空気が残っています。

古参社員にとっての「うちの会社」とは 

先代と過ごしてきた長い時間そのものです。

そこにあとから来たあなたが立っている。

頭では社長だと分かっていても

 心の前提はまだ切り替わっていない。

その状態で指示を出すと

指示は届いても、信は届いていない。

私自身、後継者だった頃

社員との関係に苦しみました。

良かれと思ってやることほど

静かな抵抗にあう。

あの感覚は今でもよく覚えています。

後継社長の言葉が軽く扱われてしまう背景

後継社長の言葉が軽く扱われる。

これはあなたの能力の問題ではありません。

立場の見え方の問題です。

古参社員から見れば

あなたは「途中から来た人」に見えやすい。

創業社長は、

社員を自分で雇い、 

関係を一からつくってきました。

だから最初から

「この人の下で働く」という前提が

社員の中に出来上がっています。

後継社長にはその時間がありません。

肩書だけが先に渡され、

 関係はまだ結ばれていない。

その状態で評価や指示をすれば、 

違和感が生まれるのは

むしろ自然なことなのです。

社員との関係がこじれると経営判断まで苦しくなる

社員との関係がこじれると、

 苦しくなるのは人間関係だけではありません。

経営判断そのものが重くなっていきます。

新しい取り組みを始めようとしても、

現場が動かない。

決めたことが途中で止まる。

「また反発されるのではないか」と、 

判断の前にためらいが生まれる。

気づけば社員の顔色を

うかがいながら経営している。

そして孤独が深まっていきます。

この苦しさを社員には言えない。

家族にも話しにくい。

先代にはなおさら出せない。

自分の立場を本当に分かってくれる人が

どこにもいないまま、 

すべてを自分の中だけで抱え込む。

「辞めさせたい」という気持ちは、

その孤独の出口を探す中で、

追い詰められた末に出てくる感情なのです。

古参社員の問題に見えて、実は会社の構造が止まっている

家業に残る暗黙のルールが改革を妨げる

「あの社員さえ辞めれば、うまくいく」

そう感じることがあるかもしれません。

でも、私が現場で見てきた多くのケースでは、

 問題は特定の誰かではありませんでした。

会社の中に染みついた

暗黙のルールのほうにあったのです。

「これはこうやるもの」

「これは先代がずっと決めてきた」

誰も口にはしないけれど、

全員がなんとなく従っている前提。

古参社員はその前提を体現しているだけ。

だからその人を辞めさせても、

前提そのものが残っていれば また同じことが繰り返されます。

後継社長が実権を握れていないと現場は動かない

もうひとつ見落とされやすいことがあります。

後継社長が実権を握れていない。

肩書は社長でも

最後の意思決定が自分にない。

お金の最終判断ができない。

人事を自分の判断で動かせない。

その状態だと社員はあなたの言葉を

「決定」として受け取りません。

「どうせ最後は先代が決める」

そう感じている限り、

 現場は本気で動かないのです。

社員が動かないのは、

 あなたへの反抗ではなく、

 実権の所在を正確に見抜いているからかもしれません。

感情的に辞めさせる判断が組織に残す傷

ここで感情のままに辞めさせる判断をすると、

何が起きるか。

辞めた本人の問題は消えます。

でも残った社員たちは見ています。

「気に入らない人は、切られる」

その空気が、組織に残ります。

すると、社員は本音を言わなくなる。

悪い情報が上がってこなくなる。

表面は静かでも

内側で会社のリズムが弱い形に固定されていく。

これはあとから取り返すのが難しい傷です。

辞めさせるという判断は、

最後の手段としてはあり得ます。

でもその前に見直すべきことが

まだいくつも残っているのです。

辞めさせる前に後継社長が取るべき現実的な方法

役割と責任を明確にして逃げ道をなくす

まず取り組めるのは、

役割と責任をはっきりさせることです。

何を、誰が、どこまで担うのか。

それが曖昧なままだと、 人は動きようがありません。

「言われていないから、やらなかった」

その逃げ道を、構造としてなくしていく。

これは、社員を追い詰めるためではありません。

一人ひとりが

自分の持ち場で 力を発揮できる土台をつくるためです。

古参社員との対話で会社の未来を共有する

多くの後継社長は

「実績を出せば、社員はついてくる」と考えます。

でも現実は逆です。

本当の実績は、

社員の協力があってはじめて出るものです。

つまり順番は「実績→信頼→協力」ではなく、

「協力→実績→信頼」なのです。

だから力でねじ伏せる前に、 協力を先に取りにいく。

私はこの関係の前提を結び直す行為を

 「契り結び」と呼んでいます。

古参社員一人ひとりと、向き合って話す。

これまで会社を支えてくれた感謝をまず伝える。

その上でこう聞くのです。

「これから一緒に会社を前に進めたい。

力を貸してもらえますか」

押し付けるのではなく、質問として預ける。

そして相手の反応をさらに聴く。

ここで効いてくるのが 古い前提の書き換え、

つまりリ・コードです。

「実績で黙らせる」から「お願いで協力を取りにいく」へ。

姿勢は低く、しかし腹は決める。

これは弱さではありません。

協力を引き出すための強さの使い方です。

最初は警戒していた古参社員が

ふと「それならやってみましょうか」と口にする。

その瞬間、会社の空気が変わります。

改善が難しい場合に退職や配置転換を冷静に考える

それでも、関係が結び直せないこともあります。

会社の未来を共有できない。

何度対話しても、前提がかみ合わない。

そのときは、退職や配置転換を冷静に検討する段階に入ります。

ここで大事なのは、 感情ではなく、会社の未来を基準にすることです。

「気に入らないから」ではなく、

「この配置が本人にとっても会社にとっても良いか」。

そう問い直すと、判断の質が変わります。

辞めさせること自体が目的になっていないか。

そこを、自分に問うてみてほしいのです。

古参社員との衝突は、会社を自分の意思で動かす転機になる

後継社長が過去の力学を超えるために必要な視点

後継社長にとって本当に難しいのは、

自分が何を当たり前だと思い込んでいるかが

自分では見えにくいことです。

先代の価値観。

家族の空気。

社員との長年の関係。

その内側にずっといると

今の判断が自分の意思なのか、 

昔から染みついた反応なのか、 

わからなくなっていきます。

だからこそ、

会社の外に自分を映してくれる視点が要ります。

答えを代わりに出す人ではなく、

「それは本当にあなたの意思ですか」と 問い返してくれる存在です。

その問いを重ねるほど、 

過去の力学に流されない芯が

あなたの中に通っていきます。

事業承継後の組織づくりは信頼の再設計から始まる

事業承継とは、 肩書が変わることではありません。

人と人との関係のあり方が、 

少しずつ組み替わっていく出来事です。

だから、承継後の組織づくりは、

 新しい制度をつくることから始まるのではない。

信頼をもう一度設計し直すことから始まります。

「先代の会社」から「今の会社」へ。

「言われたからやる」から「一緒に進める」へ。

契り結びを、淡々と全員分やり切る。

そうすると、報連相が戻ってきます。

悪い情報ほど、早く上がってくる。

決めたことが、止まらずに進む。

小さな提案が、現場から出てくる。

その積み重ねの中で

あなたの言葉がようやく「社長の言葉」として通り始めるのです。

経営が面白くなるのは社員を敵ではなく力に変えたとき

「辞めさせたい」と思っていた相手が、

実は会社を最もよく知る存在だった。

そういうことは珍しくありません。

長く会社を支えてきた古参社員は うまく力を引き出せれば、

 誰よりも頼れる味方になります。

社員を敵として見ているうちは、経営は消耗の連続です。

しかし社員を力に変えられたとき、 経営は急に面白くなります。

一人で背負っていたものが、みんなで進めるものに変わっていく。

朝、会社に向かう足取りが少し軽くなる。

その手応えを知ったとき、あなたは「継がされた社長」ではなく、

自分の意思で会社を動かす存在へと 変わり始めているはずです。

古参社員を辞めさせる方法を探していた方も、 

ここまで読んでくださってありがとうございます。

辞めさせたいという気持ちは、 真剣に会社と向き合っている証です。

ただ、その感情の奥には

「会社が前に進まない」という構造の問題が隠れています。

同じように社員との関係に一人で悩む後継社長は日本中にいます。

問題を人に押しつけて終わらせるのではなく、

構造に手を入れていく。

その手順を踏んだ先に、社員を力に変えられる経営が見えてきます。

あなたがその転機を自分の手で迎えられることを願っています。

この記事を書いた人

哲学的思考と実績に裏打ちされた体系的独自コンサルティングを優秀な連携専門家とともに提供します。
幾多の事業承継・企業変革を成功に導く業界のパイオニア的存在です。

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