今日もご覧いただき、
ありがとうございます。
こんにちは。
実家ホテルの倒産を経験した
後継社長専門コンサルタントの大島康義です。
今日は、
「社内派閥への対策」
というテーマでお話しします。
後継社長の方とお話ししていると、
このテーマを水面下で抱えている方が
とても多いと感じます。
表立っては言いにくい問題だからこそ、
一人で悩み続けてしまいやすい。
社内派閥に悩むのは組織を預かる社長として自然なこと

社内に派閥ができると判断より空気が優先されやすい
派閥がある組織では、
会議の結論が
「何が正しいか」ではなく
「誰の味方をするか」で
決まってしまうことがあります。
社長が方針を示しても、
どの派閥がそれを支持するかで
受け取られ方が変わる。
判断より空気が優先される組織は、
少しずつ動きが鈍くなっていきます。
後継社長ほど誰を信じればよいか迷いやすい
社員のAさんから話を聞くと、
Bさんへの不満が出てくる。
Bさんに聞くと、
また別の話が出てくる。
誰が本当のことを言っているのか。
誰の言葉を信じればいいのか。
後継社長は、
そういう迷いの中に置かれます。
情報が錯綜するほど、
判断は難しくなっていきます。
表面は静かでも水面下で分断が進んでいることがある
社内派閥は、
あからさまな対立として現れるとは限りません。
会議ではみんな黙っている。
廊下ではひそひそ話がある。
社長の前では従うのに、
裏では別の動きがある。
静かな水面の下で、
分断が進んでいることがあります。
その気配を感じた時点で、
向き合い始めることが大切です。
社内派閥が生まれる背景には組織の歴史と力学がある

先代社長の影響が残ると人間関係が固定化しやすい
先代のもとで長く働いてきた社員は、
先代との関係性を軸に
組織の中での立ち位置を作ってきました。
その人間関係が、
事業承継後も残り続けます。
後継社長が変化を起こそうとすると、
その固定化された人間関係が
抵抗の構造になることがあります。
古参社員や幹部の立場が派閥の軸になってしまう
組織の中で影響力を持つ古参社員や幹部が、
意図せず派閥の中心になっていることがあります。
その人が動けば周囲も動く。
その人が不満を持てば周囲も不満を持つ。
派閥の問題を解決するには、
そういう力学の軸がどこにあるかを
正確に見極める必要があります。
事業承継後は様子見が増え派閥が強まりやすい
事業承継の直後は、
社員の中に不安と様子見が広がります。
「新しい社長はどういう人か」
「自分の立場はどうなるのか」
その不安が、
「同じ不安を持つ者同士」
の結束を生みやすくします。
派閥は、不安の産物でもあるのです。
社内派閥の対策は力で抑えるより構造を見直すことが重要になる

誰が悪いかより派閥が生まれる条件を整理する
派閥への対策として、
「あの社員が問題だ」
と個人を標的にすることがあります。
でも個人を排除しても、
派閥が生まれる条件が残っていれば
形を変えて繰り返されます。
誰が悪いかよりも、
「なぜ派閥が生まれたのか」
という条件を整理することが
本質的な対策になります。
個別対応だけでなく役割と意思決定の仕組みを整える
派閥の問題は、
個別の関係を調整するだけでは
解消されません。
誰がどの領域を担うか。
重要な判断はどのプロセスで行うか。
その仕組みが曖昧なほど、
派閥の力学が入り込む余地が生まれます。
役割と意思決定の仕組みを整えることが、
派閥が機能しにくい組織をつくります。
社員に公平な基準を示すことで空気は変わり始める
派閥の中にいる社員は、
「どちらにつくか」で
自分の立場を守ろうとしています。
でも、
社長が公平な基準を持ち、
一貫した言動で示し続けると、
「どちらにつくか」ではなく
「社長の基準に合わせる」
という動きに変わっていきます。
空気は、
社長の言動で変えられます。
社内派閥への対策は会社を一つに戻す転機にもなる

社長が自分の軸を持つと組織の揺れは小さくなる
派閥に振り回されているとき、
後継社長はたいてい
「誰を信じるか」を軸に動いています。
でも本当に必要なのは、
「自分はどういう経営をするか」
という自分の軸です。
その軸が育つほど、
派閥の声に振り回される度合いが減り、
組織の揺れが小さくなっていきます。
対立の調整を通じて信頼される後継社長へ近づいていく
派閥の問題に正面から向き合った後継社長は、
経営者としての深みが増していきます。
逃げなかった。
誰かのせいにしなかった。
公平に向き合おうとした。
そういう姿を、
社員は見ています。
その積み重ねが、
信頼される社長への道になっていきます。
学びの場を持つことで組織を見る視点と器が育っていく
社内派閥の問題は、
組織の中だけで考え続けていると
視野が狭くなっていきます。
同じ経験をした後継社長の話を聞く。
組織の力学を体系的に学ぶ。
そういう外の視点が入ったとき、
「なぜこういう状態になったのか」
が見えやすくなります。
見えると、整えられます。
社内派閥への対策に、
すぐに効く特効薬はありません。
でも、視点はあります。
個人を責めるのではなく構造を見る。
力で抑えるのではなく仕組みを整える。
派閥の声に振り回されるのではなく
自分の軸を持つ。
その積み重ねが、
組織を少しずつ
ひとつに戻していきます。

