中小企業の社風を変えたい社長へ|組織が変わり始める本当のポイント

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ありがとうございます。

こんにちは。

後継社長学提唱者の大島康義です。

私はかつて実家ホテルの倒産を経験し、
その時の学びと経験を
後継社長専門コンサルタントとして
お伝えさせていただいております。

「社風 変えたい 中小企業」

この言葉で検索されて
この記事にたどり着いた方もいるかもしれません。

実はこの悩み、
後継社長にはとても多いテーマです。

そして、たいていの場合、
うまくいかない原因は
社長の努力不足ではありません。

目次

社風を変えたいのに、なかなか変わらない理由

社員の意識を変えようとしてもうまくいかない理由

「社風を変えたい」

そう考えた社長が最初に手をつけるのは、
たいてい社員です。

朝礼で理念を語る。
研修を入れる。
評価制度を見直す。
面談の回数を増やす。

どれも間違ってはいません。

ところが半年経っても、一年経っても、
会社の空気はあまり変わらない。

返事はいい。
でも動きが鈍い。

やってはいる。
でも腹が落ちていない。

この手応えのなさは、
外から見ていた話ではありません。

私自身が、その中にいました。

27歳のとき、阪神大震災で
家業であるホテルが壊滅しました。

父は気力を失い、
「あとはお前に任せる…」
と、業務を諦めてしまいました。

蓋を開けてみたら、
100億円を超える借金。

従業員400名の生活が、
突然、私の肩にのしかかりました。

そのとき私は、必死で言葉を発していました。

けれど、私の言葉は
社内のどこにも届いていなかった。

正確に言えば、
届く前に、会社の空気に押し返されていたのです。

理由は、あとになってわかりました。

社風とは、社員の意識の集合ではないからです。

社風とは、その会社で
「何が当たり前とされているか」の集合です。

意識は、変えようとすれば抵抗されます。

けれど当たり前は、
誰にも意識されていない。

だから、手のつけようがないのです。

先代から続く「当たり前」が組織を動かしている

私は、人の思考を深いところで支配している
常識や思い込みのことを「コード」と呼んでいます。

会社にも、必ずコードがあります。

・お客様には、こう対応するものだ
・値決めは、こういうものだ
・社長には、こう報告するものだ
・この会社では、そこまではやらない

誰も口には出しません。

けれど、全員が従っている。

そしてそのコードの多くは、
先代の時代につくられたものです。

しかも、悪意でできたものではありません。

その時代に、
それで実際に結果が出た。

だからこそ社員にとって、
「正しい経営」の原型になっている。

当たり前って、強いんですよね。

味方の顔をして、
可能性を静かに削っていく。

社長自身が変わらないと社風が変わらないのか

ここで、誤解されやすいことがあります。

「結局、社長が変わらないとダメなんですね」

そう受け取られてしまう。

けれど私が申し上げたいのは、
社長が悪い、という話ではありません。

社長は、会社のコードに
最初に手を触れられる唯一の立場にいる。

それだけの話です。

そしてもうひとつ、やっかいなことがあります。

後継社長自身の中にも、
先代から受け取ったコードが入っている。

会社を変えたいと思いながら、
判断の瞬間には
先代の基準で決めてしまっている。

私がそうでした。

父のやり方を否定しているつもりで、
父のものさしで会社を測っていた。

自分では、まったく見えないのです。

後継社長にとって本当に難しいのは、
経営の知識が足りないことではありません。

自分が何を当たり前だと思い込んでいるのかが、
自分では見えにくいことです。

中小企業の社風を変える前に見直したい組織の構造

社員との信頼関係が会社の空気をつくる

ある後継社長は、就任してすぐ、
数字で結果を出そうとしました。

実績を出せば、社員はついてくる。

そう考えたからです。

気持ちは、痛いほどわかります。

ただ、現実は順番が逆になりやすい。

本当の実績は、
社員の協力があって初めて出るものだからです。

・実績が出れば、社員はついてくる(と思っている)
・実績を出すには、社員が先に協力してくれないといけない(現実)

この矛盾を力でねじ伏せにいくと、
短期的には動きます。

でも、長期では歪みが出る。

現場は従うけれど、ついてこない。

提案が消え、自発性が消え、
最後に、社長が孤立します。

古参社員や幹部との関係をどう捉え直すか

後継社長は、古手の社員から見れば
「途中から来た人」に見えやすい。

能力の問題ではありません。

立場の見え方として、そうなりやすいのです。

社員の心の中で、
「アトツギさん」という呼び名が
勝手に生まれることもあります。

その状態で指示を出し、評価をする。

違和感が出るのは、むしろ自然です。

そして抵抗は、露骨には出ません。

抵抗は、静かに起きます。

会議で反対されるより、
「なんとなく進まない」という形で現れる。

これは、社員の人格の問題ではありません。

関係の前提が、
まだ結び直されていないという
構造の問題です。

「誰が会社を動かしているのか」を見えるようにする

組織図の上では、社長が頂点にいます。

けれど実際に会社を動かしているものは、
別のところにあることが多い。

・株式を誰が持っているのか
・お金の最終判断を誰がしているのか
・社員が本当に顔色をうかがっているのは誰か

このうち一つでも社長からずれていると、
社長の言葉は、途中で減速します。

社長就任は、城下に入った状態です。

けれど株式が整っていなければ、
本丸は空のままです。

本丸が空のまま改革に出れば、
背後がいつでも揺らぐ。

歴史を読んでいると、
このことがよくわかります。

権力の移動、同族の争い、改革の失敗。

名前が違うだけで、
起きていることは驚くほど似ています。

だから、目の前の揉め事を
自分の人望の問題だと思わなくていい。

社風という言葉は空気の話に聞こえますが、
その空気をつくっているのは、
たいてい実権の構造です。

社風を変える社長が最初に取り組んでいること

自分が本当に実現したい会社の姿を言葉にする

経営計画書はある。
数字も、方針も、期限もある。

それでも、社員の反応が薄い。

そういう会社は、少なくありません。

理由は、社長の言葉が
「何をするか」にはなっていても、
「何者として立つのか」には
なっていないからです。

人は、方針や目標だけでは、
自分の人生や仕事を本気では預けません。

この人は何を信じているのか。

苦しくなったとき、
何を残し、何を捨てる人なのか。

そこが見えて、はじめて腹が動きます。

私はこれを、
「後継事業家ステートメント」という形で
言語化していただいています。

きれいごとの宣言ではありません。

社長の中にあるバラバラの思いを、
一本の軸にしていく作業です。

軸ができると、会社は
ただ忙しいだけの場所ではなくなります。

向かう先を持った船になります。

社員を変えるのではなく、共感と対話から関係を変える

私が現場でお願いしているのは、
「契り結び」と呼んでいる関わり方です。

儀式ではありません。

社員一人ひとりと、
これからの関係の前提を結び直すことです。

・これまでへの感謝を伝える
・考えや悩みを聴く
・社長になった経緯を短く伝える
・「協力していただけますか?」と尋ねる
・反応を見て、もう一度聴く

とくに大事なのは、あの問いです。

「協力してください」と押し付けるのではなく、
問いとして投げる。

そして返ってきた言葉を、もう一度聴く。

この順番があるだけで、場の空気が変わります。

腰は低く、腹は決める。

これは卑屈になることではありません。

協力を引き出すための、
強さの使い方です。

小さな変化を積み重ねて会社の空気を変えていく

契り結びをしたからといって、
急に仲良くなるわけではありません。

けれど、前提が揃い始めると、
現場ではこんなことが起きます。

・報連相が戻る
・決めたことが止まらなくなる
・提案が増える

様子見が、参加に変わる。

牽制が、協力に変わる。

言われたからやる、が、
一緒にやる、に変わる。

社風は、宣言では変わりません。

前提が変わり、判断が変わり、
その積み重ねが、空気になっていきます。

社風が変わった先にある「自分らしい会社」のつくり方

社員が前向きに未来を語れる会社へ

久しぶりに再会した後継社長に、
こちらが先に驚かされることが何度もあります。

声の出し方が変わっている。

間の取り方が変わっている。

視線の迷いが減っている。

強く主張しているわけでもないのに、
場の中心に立っていることが伝わってくる。

そういう社長の会社では、
社員のほうが先に未来の話を始めます。

「来年はこうしませんか」

その一言が現場から出てきたとき、
社風はもう、変わり始めています。

中小企業だからこそできる大胆な企業変革

中小企業は、意思決定の距離が短い。

社長が本気で前提を書き換えれば、
会社は驚くほど速く動きます。

私はこれを「リ・コード」と呼んでいます。

古いコードをいったん解体し、
新しいコードに入れ替えること。

そして高い視点、広い視野から
物事の本質をつかみ直したうえで革新を起こす。

それを「メタ・イノベーション」と呼んでいます。

大企業には、これができません。

守るべきものが、多すぎるからです。

「やらなければならない会社」から「やりたいことを実現する会社」へ

多くの後継社長は、
「やらなければならない」から始まります。

継がなければならない。

社員を守らなければならない。

先代の顔を潰してはならない。

その状態のままでは、
会社の空気もまた「やらされ」になります。

社員は、社長が背負っているものを
驚くほど正確に感じ取ります。

事業軸、経営軸、人生軸。

私はこの三軸で経営を捉えていますが、
社風にいちばん効いてくるのは、
実は人生軸です。

社長が自分の人生として
会社を引き受け直したとき、
会社の空気は変わり始めます。

社風とは、
社長がどんな未来を見ているかの反映でもあるのです。

中小企業の社風を変えるために押さえておきたいポイント

ここまでを整理します。

・社風は社員の意識ではなく、会社の当たり前(コード)の集合である
・そのコードの多くは先代の時代につくられ、後継社長自身の中にも入っている
・空気をつくっているのは、株式・お金・人という実権の構造である
・変化は、社長の言葉と、社員との関係の結び直しから始まる

社風が変わらないのは、
あなたの人望が足りないからではありません。

まだ、触れるべき場所に
手が届いていないだけです。

会社は、社長ひとりで動くものではありません。

けれど、社長の前提が変わると、
会社は確かに動き始めます。

数字が動く。

関係が動く。

言葉が動く。

そして、空気が動く。

その景色は、
特別な人だけに訪れるものではありません。

悩みながら、迷いながら、
それでも自分の会社を
自分の人生として引き受け直した人たちに、
実際に起きてきたことです。

この記事を書いた人

哲学的思考と実績に裏打ちされた体系的独自コンサルティングを優秀な連携専門家とともに提供します。
幾多の事業承継・企業変革を成功に導く業界のパイオニア的存在です。

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